安全工学シンポジウム2016
安全工学シンポジウム2016(於:日本学術会議)に行ってまいりました。
午前は、「子どもの安全を守る新たな試み ー 事故事例から学ぶ」に参加。
オーガナイザーは、名古屋大学 内田 良 先生で、専門家3名と学校事故遺族3名がお話されました。
・高所からの墜落の要因
・保育・学校管理下における安全危機管理 〜こどもの水難事故から考える〜
・熱中症のリスクマネジメントからみた学校に潜む危険
・専修大学付属高校夏合宿死亡事件
・プール飛び込み事故の実態
・滋賀県愛荘町立秦荘中学校における柔道死亡事故
午後は、「事故再発防止とは 〜 事故防止のあり方を考える」に参加。
・事故の再発防止とは 〜 事故防止のあり方を考える
・踏切人検知システムの必要性と運用課題
・高齢者と鉄道の安全対策
・認知症患者家族の監督義務と鉄道事業者の立場
・事故調査の結論と裁判の結果について
・事故事例の蓄積から学ぶ ー 頭部外傷のくり返しに着目して
・事故再発防止から未然防止へ ーリスクマネジメントと安全文化の発信ー
それそれの立場からのメッセージは、もちろん個々の特有の問題もありますが、多くの共通項を見出すことができます。
安全工学として考えた場合、まずは、その共通項を認識する作業も重要だと考えます。
私が、共通の問題・課題と考えるのは、以下4点です。
⑴「事例は共有し、分析・解析し、今後に活かす」という作業がきちんとなされていないこと。
そのため、同じような事故が、また、起こる。それを、内田先生は「コピペ事故」と表現されていましたが、おっしゃるとおりだと思います。「事例が捨てられていく」とも表現されましたが、まさに、私の娘の死亡事例は、現段階においては、捨てられた事例です。
⑵ 0 にはできないことと認識し、あることを前提とした対策をすること。
常に危機感をもって、あることを前提としてリスクを想定し、減らす努力を、一方向からではなく、多方面から行うこと。
今回のシンポジウムで、あらゆる事例から、それぞれの立場から、事故防止、事故対策を考える視点を得られたことは、大きな学びとなった。
⑶ 個々の感覚の判断ではなく、システマティックに判断できる基準(+測定装置など)が必要であり、個々の施設への指導(刑罰)だけではなく、ガイドラインの整備が必要。
⑷安全教育の義務化。
以上、4点を共通する課題として見出し、今後「Cross × Three(クロスバイスリー)」も、子どもたちの安全対策が改善されていくように精一杯活動してまいります。
皆さま それぞれのお立場からの ご意見ご助言をいただけましたら、幸いです。
今回の学びの機会を与えてくださいました一般社団法人 吉川慎之介記念基金さまに心より感謝いたします。
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